45-1.2002年11月20日.岩国市へ岩国基地沖合い移設工事凍結申し入れ、(1)〜(8)

岩国市申し入れ
10:00-10:50,岩国市役所9階 会議室。岩国市特有の屋上の更に上にある会議室で、今津川河口や基地の方向がよく見え、基地の話をするにはうってつけの景色の良いところである。

岩国市側:基地対策部長・室長、水産振興課長、環境保全課長の4人。
ピースリンク:田村、久保田、戸村、藤井、伊達、湯浅の6人。

 簡単な自己紹介の後、田村さんが、以下の2件の要請書を提出した。「アメリカ軍岩国飛行場滑走路沖合移設に伴う藻場・干潟の消滅に対する回復措置が不可能な限りにおいて、工事の凍結を求めてください」、「日米統合実動演習への岩国基地の関与に強く抗議し、日本海を初め日本周辺海域での水中爆破訓練の中止を求め、かつ地位協定の変更を求めてください! アメリカのイラク攻撃への岩国基地の関与に反対すること」。湯浅が簡単に申し入れの趣旨を説明し、岩国市側が、要請項目に対する考え方を話した。
「「藻場・干潟回復検討報告書(以下、報告書)」に対する市としての見解については、調整中で、まだ結論は出ていない。6年もかけた報告なので尊重したいが、極力回復できるようにお願いしたいと思っている。「最大限」の回復を期待したい。」
「報告書」についての「私たちの見解」に対しては、特に反論もなかったが、現場を抱えている立場からの藻場・干潟の回復に対する熱意のようなものは、あまり感じられなかった。特に、水産振興課長の答弁は、水産振興という立場をわきまえず、市全体の方向の中で、岩国の周辺で回復事業を広範囲にやろうとしても無理である」という否定的な考え方が染みついている。「この工事が終わっても、岩国周辺の70−80%の藻場は残る。83ha全部の回復事業をしたら、それだけで、890億円はかかる。また、1100万m3の土砂を持ってこなければならず、どこかの山を崩すことにもなる。従って、全部の回復措置をと言う話にはならない」というニュアンスで
消極的。「むしろ、残った藻場の機能が低下している問題について、どう対処するかを考えるべき。」これが水産振興に司る人間の言うことかと怒りが湧いてくる。湯浅は、「残る藻場の機能も低下しているので有れば、結論は一つしかない。ここで工事をストップして、今まだ残っている藻場を保全することを前提として、藻場の機能回復の作業に取りかかるしかないのではないか」と強調した。
田村さんは、基地北側の今津川河口を中心に、北工区の工事が始まっていることを指摘し、これでいいのかと迫った。県知事の見解が出るまでは、工事はしないが、普通の考え方ではないのかと問うと、市は「そんなはずはない」としきりに答弁。つまり工事そのものは、相変わらず進め、特に北工区の工事に入り、藻場・干潟の回復問題は、それとは別個の次元で対応することが、関係機関の間で合意されていることが明確になった。何故このような理不尽なことがまかり通るのか、全く理解できない。
また、田村さんは、昨日から今朝にかけて、基地北側の車道のすぐ側にある駐車場で、銃を持ち、武装した迷彩服姿の50人ほどの米兵が、野営して、なにやら訓練をしているが、市への通知はあるのかと問いただした。マスコミも含めて、初めて知ったらしく、市は何も答弁できなかった。日米統合実動演習の期間中だけに、統合演習との関連性も懸念され、そもそも市民に近いところで、銃を持った姿で登場するようなことが、全く届けもなく行われているのはおかしいと追求した。(湯浅一郎)

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 11月21日中国新聞、山口新聞、防長新聞、朝日新聞山口版、毎日新聞山口版、に出ていました。
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 手前左から藤井純子さん、湯浅一郎さん、田村順玄さん、後ろに久保田十一郎さん、伊達純さん。
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