118−6.2003年12月9日.「自衛隊派遣閣議決定抗議」呉駅前街宣・署名集め(44)(45)(呉からも写真と湯浅さの報告が送られてきました)

(44)

呉駅前(そごう前)でも自衛隊イラク派遣閣議決定に抗議し、イラク派遣を止めよう市民署名が行われました。

(45)

            

湯浅です。とうとう、政府は未知の領域に踏み込みました。呉駅前での街宣をしましたので、様子をお伝えします。

12月9日(月)6時から7時10分。
 呉駅前 街頭宣伝。イラク派兵基本計画の閣議決定に抗議。
当然だが、報道は、久しぶりに多い。
  新聞は5社(毎日、朝日、読売、中国、共同)、テレビ(広島テレビ、NHK?)  TSSは昼にインタビュウあり。

参加者:10人
 署名は、60名。その日のうちに、抗議声明とともにFaxを送った。今日は、試験のためか、高校生がすくなかった。ある程度年配の女性、子連れの女性、そしてめずらしく男性も結構いた。

参考:
内閣総理大臣                    2003年12月9日
 小泉純一郎様
防衛庁長官
  石破 茂様
                                抗議声明
2名の外交官の死を無にする最悪のシナリオ=自衛隊のイラク派兵に関する基本計画の閣議決定に抗議し、その白紙撤回を求める!
                      「おおすみ」型揚陸艦を派兵し、
          呉を海外派兵の拠点にすることを止めていただきたい!

  本日、政府は、イラク特措法に基づき、自衛隊をイラクに派兵することを定めた基本計画を閣議決定しました。計画では、「人道復興支援」のために、陸海空三自衛隊併せて1200人弱を派遣し、「医療、給水、公共施設の復旧」を行うとしています。しかし、日本人外交官が殺害されたことに象徴されるように、「人道支援」といくら言っても、日本はアメリカの同盟国として標的にされることは間違いなく、<戦争状態>であることがわかっている地に自衛隊を出すことは、イラク特措法に違反するばかりか、政府自らが、<憲法九条を捨てると宣言する>に等しいものであり、このような計画を閣議決定したことに強く抗議し、白紙撤回を求めるものです。

 
 11月29日、イラク北部のティクリットで二人の日本大使館員が銃撃によって殺害されると言う痛ましい事件が起きましたが、この事件は、イラク戦争を支持し、今も米軍の占領を支援しようとする日本政府の方針そのものに対する強い拒否反応の現れで
す。
 確かに「主要な戦闘」は終わったかもしれません。しかし、イラクでは米軍に対するゲリラ闘争が頻発し、ほぼ毎日、誰かが殺害され、いわば<戦争状態>が続いています。米軍は恐怖心から強引な捜索をくり返し、空爆まで再開しましたが、これは反米感情を一層強める悪循環をうみだすだけです。11月12日には、自衛隊の派兵が取りざたされているサマワの南東100kmのナシーリアで、イタリア軍警察が攻撃を受け、少なくとも25人が死亡しました。アメリカ政府高官は、イラクは戦争状態であることを認めています。


 戦争状態の場に、自衛隊を出すことは、イラク特措法にすら違反しています。そもそも憲法九条を尊重すれば、戦場に自衛隊を出すなどと言うことは、あり得ないことです。それをあえて派兵することを決めたと言うことは、政府が<憲法九条を捨てるという宣言>をしようとしているとしか思えません。あるいは、憲法九条を捨てるために、あえて戦場とも言うべき場に自衛隊を送ろうとしているのであり、絶対に認めることはできません。


 自衛官とその家族の多くがイラク派兵を望んでいないはずです。自衛官は、「祖国の防衛のために入隊したとしても、海外のどこかで、生命をかけて戦い、「殺す、殺される」という構造に身を置くことを潔しとする」はずはありません。


 政府は、春にアメリカが行ったイラクへの先制攻撃をいち早く支持したことが誤っていたことを率直に認めるべきです。 先制攻撃の理由とした大量破壊兵器は未だにかけらすら出てきていないのです。私たちは、この事実を決して忘れません。その上、少なくとも1万人とも言われるイラク市民が殺され、メソポタミア文明発祥の地は破壊されたままです。米軍が使用した劣化ウラン弾による放射能微粒子は、永久の放射能汚染源としてイラク全土を汚染しています。これらの事態は、アメリカによる戦争に正義がないことを訴えており、まさに戦争犯罪そのものなのです。


 この点を追求することなく、口先だけで「人道支援」と言ってみても、国際的に認められるはずはありません。米英両国は、自らおかした戦争犯罪を謝罪し、その補償を国を挙げて行うべきです。その上で、イラク復興のために、国連を中心に支援活動を行うのでなければなりません。こうした観点からみれば、大義のない戦争の後始末としての米英占領軍のために、自衛隊を派兵したり、資金を供与したりすべきでないことは明白です。派兵される自衛隊員も、「国民をまもるために行動している」との確信を持てるはずがありません。 


 そして被爆・広島県にある呉基地は、イラク派兵の重要な一環を担うのです。強襲上陸作戦が出きる戦車揚陸艦「おおすみ」型の輸送艦が対象になり、東チモールPKOに派遣された「おおすみ」、対テロ特措法によりカタールに建設資材を輸送した「しもきた」、この経緯を考えると最新鋭の「くにさき」の派兵が想定されます。しかも、2001年11月以来、アフガンでの対テロ掃討作戦の戦争協力という<戦時下における海外派遣>も続いています。このままでは、呉は、海外派兵の一翼を担う町にされてしまいます。


 自衛官の生命とその家族の生活はかけがえのないものです。その自衛官の生命と人権は、政府によってないがしろにされようとしています。大部分の自衛官は、入隊時の契約から言っても、イラクに行きたくないと思っているはずです。


 そこで以上、戦時下の戦争協力を担うべく、「おおすみ」型の輸送艦の呉からの派兵を含めて、自衛隊のイラク派兵を絶対に行わないよう強く求め、以下、要請するものです。
 
1)イラク派兵基本計画の閣議決定を撤回すること。
2)政府は駐イラク大使館員2名の死という事態を真剣に受け止め、「なぜ日本が標的に なるのか」を真剣に再考すること。
3)米英軍への50億ドルもの占領費用を供与しないこと
4)米英軍のイラク占領を止めるよう求めること。
5)国連など国際社会と協力してイラクの人々に対する非軍事の援助ができる態勢を早急に作るべく努力すること。
 
入れるな核艦船!飛ばすな核攻撃機! ピースリンク広島・呉・岩国(29団体)


連絡先:トマホークの配備を許すな!呉市民の会  世話人 湯浅一郎
     呉市幸町3−1 呉YWCA気付      呉21-2414     
 広島キリスト者平和の会         世話人 久保田十一郎
     安芸郡府中町柳ケ丘9-4          広島281-9837
岩国市平和研究所            代表  田村順玄
     山口県岩国市牛野谷町3丁目75−19   岩国31-3383

街頭で訴えたこと:
 イラク派兵の基本計画の閣議決定がなされたことについて?

1)・日本人外交官が殺害されたことが教えていることは、政府がいくら「人道復興
支援」とくり返しても、アメリカのイラク戦争を全面的に支持し、その占領を支援す
る限りにおいて、日本は、アメリカの同盟国として標的になっているという事実で
す。


 しかも、イラクは、アメリカが、空爆を再開しているように、今も<戦争状態>で
す。そういう場に自衛隊を出す決定を下すと言うことは、イラク特措法に違反する行
為です。


 更に、憲法九条を放棄するという宣言をしているようなものだ。あるいは、政府
が、憲法九条を突き破る現実を作り出すために、あえて挑戦しようとしているとしか
思えない。極めて危険な、国益を損なう最悪の選択である。

・忘れてならないことは、イラク戦争に何の大義もないことです。先制攻撃の理由と
した大量破壊兵器は見つかっていない。もう見つからないでしょう。それなら、何の
ために、1万人とも言われる市民が殺されたのか? メソポタミア文明の地が破壊さ
れたのか?劣化ウラン弾から飛び散った放射能が、永遠の汚染源として残されねばな
らなかったのか。その戦争犯罪は、誰も断罪しないのか? 今後、同じようなことを
くり返さないためにも、アメリカの戦争犯罪をきちんと国際社会が共有することこそ
第一に重要である。

2)自衛官とその家族の生命と人権が、「国益」という名の下で、ないがしろにされ
ようとしていることも許せない。自衛官は、「祖国を守るために入隊したのであり、
イラクの地で殺し、殺されるために入隊したわけではない。


3)その一員として、私たちが暮らす呉から艦船が派遣されることは、許せない。被
爆県内にあり、多くの被爆者が生きている地が、海外派兵の拠点にされてしまうこと
は、市民として絶対に容認できないこと。


  呉は、敗戦間際の度重なる空襲被害を受け、戦争の悲惨さと、愚かしさを身をもっ
て体験した町であり、恒久平和を訴えてきた。その町が、今度は、海外派遣の拠点に
なっていく。これは、広島、呉の体験を持つ市民の思いを踏みにじることである。