253−2.2007年5月6日.今こそ憲法を生かす時「九条の会岩国」発足記念、浅井基文講演会(11)〜(15)
   

(11)

 
 

その上で、国際平和を考える場合の座標軸ともなる日本国憲法の大切さを訴えられました。そして世界平和に向け、説得力ある日本国憲法を生かしきること。

 

 

下に「九条の会」アピール

 

 

(12)

 
 

平和憲法を今日に生かすことはどういう意味を持っているのか、平和憲法を生かすために求められているのは何か、特に被爆地広島はそのために頑張る資格と必要がある筈だが、残念ながらそこに目は向いていない。

 

 (13)  
 じっと聞き入る稲生慧さん

 

(14)

 
 

広島市民が、米軍基地で岩国市民がこんなに苦しめられているのに、何もしようとしない、その冷淡さは返すがえす残念だ。受身でなく、「反戦平和」を積極的に求めていこう、と結ばれました。

 

 (15)  
 司会から、「九条の会岩国」への参加と、カンパを訴えられて講演会は終わりました。

 

   
              

  「九 条 の 会」 ア ピ ー ル

 日本国憲法は、いま、大きな試練にさらされています。

  ヒロシマ・ナガサキの原爆にいたる残虐な兵器によって、五千万を超える人命を奪った第二次世界大戦。
この戦争から、世界の市民は、国際紛争の解決のためであっても、武力を使うことを選択肢にすべきではないという教訓を導きだしました。

 侵略戦争をしつづけることで、この戦争に多大な責任を負った日本は、戦争放棄と戦力を持たないことを規定した九条を含む憲法を制淀し、こうした世界の市民の意思を実現しようと決心しました。

 しかるに憲法制定から半世紀以上経たいま、九条を中心に日本国憲法を「改正」しようとする動きが、かつてない規模と強さで台頭しています。その意図は、日本を、アメリカに従って「戦争をする国」に変えるところにあります。そのために、集団的自衛権の容認、自衛隊の海外派兵と武力の行使など、憲法上の拘束を実際上破ってきています。また、非核三原則や武器輸出の禁止などの重要施策を無きものにしようとしています。そして、子どもたちを「戦争をする国」を担う者にするために、教育基本法をも変えようとしています。これは、日本国悪法が実現しようとしてきた、武力によらない紛争解決をめざす国の在り方を根本的に転換し、軍事優先の国家へ向かう道を歩むものです。私たちは、この転換を許すことはできません。

 アメリカのイラク攻撃と占領の泥沼状態は、紛争の武力による解決が、いかに非現実的であるかを、日々明らかにしています。なにより武力の行使は、その国と地域の民衆の生活と幸福を奪うことでしかありません。一九九○年代以降の地域紛争への大国による軍事介入も、紛争の有効な解決にはつながりませんでした。だからこそ、東南アジアやヨーロッパ等では、紛争を、外交と話し合いによって解決するための、地域的枠組みを作る努力が強められています。

 二○世紀の教訓をふまえ、二一世妃の進路が問われているいま、あらためて憲法九条を外交の基本にすえることの大切さがはっきりしてきています。相手国が歓迎しない自衛隊の派兵を「国際頁献」などと言うのは、思い上がりでしかありません。
 憲法九条に基づき、アジアをはじめとする諸国民との協力関係を発展させ、アメリカとの箪事同盟だけを優先する外交を転換し、世界の歴史の流れに、自主性を発揮して現実的にかかわっていくことが求められています。憲法九条を持つこの国だからこそ、相手国の立場を尊重した、平和的外文と、経済、文化科学技術などの面から協力できるのです。

 私たちは、平和を求める世界の市民と手をつなぐために、あらためて憲法九条を激動する世界に輝かせたいと考えます。そのためには、この国の主権者である国民一人ひとりが、九条を持つ日本国憲法を、自分のものとして選び直し、日々行使していくことが必要です。それは、国の未来の在り方に対する、主権者の責任です。日本と世界の平和な未来のために、日本国憲法を脊るという一点で手をつなぎ、「改憲のくわだてを阻むため、一人ひとりができる、あらゆる努力を、いますぐ始めることを訴えます。

                                          2004年6月10日

井上ひさし(作家)、海原 猛(哲学者)、大江健三郎(作家)、奥平康弘(憲法研究者)、小田 実(作家)加藤周一(評論家)、澤地久枝(作家)、鶴見俊輔(哲学者)、三木睦子(国連婦人会)