257−1.2007年5月23日、掃海母艦「ぶんご」辺野古での事前調査派遣、広島防衛施設局へ抗議(1)〜(10) 
   
(1)  
 午後1時、広島防衛施設局は西浦正明基地対策室長、及び森島補佐、高松調査専門官の3人が相手されました。

前の失態がこたえたのでしょう。まず防衛施設局側3名の自己紹介。

翌24日毎日新聞ホームページに出ています。

 

(2)  
 ピースリンク広島の新田世話人からもそれぞれの自己紹介のあと、簡単に今日の申し出の趣旨の説明。

 

(3)  
 「抗議と要請書」(下記)を呉の西岡由紀夫さんが読み上げ

 

 

 

(4)

 
 

「自分の街から出た事に怒りを覚えている」ことを伝えました。

 

 

(5)

 
 

対応された広島防衛施設局基地対策室の西浦正明室長に

 

 

 

 (6)  
 
(7)  
 マスコミ注視の中で手渡しました。

 

 

(8)

 
 

それに対し、「広島防衛施設局としては答えらない。上級機関に申し伝えたい」とまず回答されました。

 

 

 (9)  
 「なぜ、答えられないのか」という問いを発すメンバー 
 (10)  
 「自分たちは中四国を管轄しているので、那覇防衛施設局が行っていることについては、答える立場にはない。」と

 

 

 

 

   
            

2007年5月23日

内閣総理大臣 安倍晋三様

防衛大臣   久間章生様

防衛施設庁長官 北原巌男様

広島防衛施設局長月橋晴信様

那覇防衛施設局長佐藤 勉様

抗 議 及び 要 請 書

掃海母艦「ぶんご」の辺野古での普天間代替基地建設のための事前調査派遣(=自衛隊の導入)に抗議し、その即時撤退と事前調査の中止を求めます。

 5月10日、一部報道が「日本政府が辺野古の現況調査に海上自衛隊導入の方針を明らかにした」と報じ、翌日「海上自衛隊の掃海母艦『ぶんご』(定係港呉)が今日横須賀港から沖縄近海にむけて出港した」と報じられました。そして、一部報道によると、18日未明、掃海母艦「ぶんご」から海上自衛隊の潜水士が事前調査に従事したと報じられています。

これが事実だとすれば重大な問題であり、被爆地ヒロシマの市民として、呉からの自衛隊の派遣と事前調査への関与に強く抗議し、作業の中止を強く要請します。

 掃海母艦「ぶんご」は、キャンプシュワブ周辺海域での基地建設を前提とした事前調査の為の機材設置作業を支援したとのことですが、環境アセスメントに関わる事前調査で自衛隊が関与する事は、未だかつて聞いたことがない、異常な事態です。海上自衛隊の任務を逸脱した不当きわまりない行為として断じて許せません。

 今回、掃海母艦「ぶんご」が派遣される辺野古では1996年日米両政府によってかわされたSACO合意の時から、多くの市民が辺野古への普天間基地の移設に反対し、住民投票においても、52%の反対票が投じられました。その後、名護市長及び沖縄県知事が容認しましたが、地元住民は一貫して反対の声をあげ、行動を起こし続けています。その結果、2005年10月29日、日米両政府はこれまでの海上案を断念し、新たに米軍再編合意において、キャンプシュワブ沿岸への移設を提案してきました。これに対しては、当初名護市も沖縄県も反対の声をあげてきました。2006年4月、島袋吉和名護市長は、V字型滑走路案に合意をしましたが、2007年1月、今ある沿岸案を!100M沖合にずらすことを提案しており、仲井真沖縄県知事もこれを支持しています。つまり、当該自治体である名護市も沖縄県も現在の日米合意案を容認していないのが現状です。つい先日、久間防衛大臣が仲井真沖縄県知事に対し、1000M沖合にずらすことを口頭で約束したにもかかわらず、政府は、環境アセスメントの方法書も提出されてない段階で、4月23日より、環境アセスメントの事前調査に強行着手しています。

 今回の事前調査は、滑走路の位置が確定していない状況、つまり計画が未確定の段階で行ってしまおうとする不当なものです。これらの調査で行われる事は本来環境アセスメントの方法書の中で専門家などの意見を聞きながら、行うべきものです。それを、方法書が出される前に強行したということは、環境アセスメントの結果はあらかじめ「環境への影響は軽微である」という結論があるからできることです。政府は、環境アセスメントは、建設行為の事務手続きであり、形式的に調査項目が整っていさえすれば、建設行為は前進していくという思惑が前提にあります。これは、環境アセスメントをないがしろにし、形骸化するもので、断じて許せません。建設予定海域は、ジュゴンのほぼ北限であり、極めて希少な動植物が生息している場であることは、既にわかっていることであり、軍事空港建設の最も不適な海域であることは、ほぼ自明のことのはずです。

 しかも、すでに競争入札により調査を行う業者が決まっているにもかかわらず、民間に加えて自衛隊が導入されるということは、一つの業務を二重の体制で行うという尋常でない状態が出現することになりますし、そもそも入札が不当であったと言うことになります。

 一部報道によると今回の海上自衛隊の導入を「国家行政組織法に基づく「官庁間協力」」としていますが、1972年の沖縄復帰後今日まで自衛隊が在日米軍基地建設に関与する事はなく、これまでの「民事不介入」の原則を逸脱することであり、沖縄の人たちにとっては、まさに「軍隊が国民に向けて銃口を向ける」行為に他ならないものとして写る のは当然です。しかも、掃海母艦とは言え実質的に戦争の一部を担うべく、日々訓練をしている艦船と部隊を沖縄近海へと派遣することは、沖縄の人たち対する「軍事的恫喝」そのものです。名護市のヘリ基地反対協議会の安次富浩代表委員は、「これは21世紀の『琉球処分』だ。」と抗議されています。「かつて明治政府は沖縄に対し軍隊を派遣し、廃藩置県を行いました。今回も日本軍によって沖縄を侵略し、沖縄の海を、日本軍および日本軍の軍艦によって奪おうとしている」と怒りを露にされています。政府は、この思いに対して、どのような思いを対置されるのでしょうか。仲井真沖縄県知事も「県民感情を考えるとあまり好ましいとは思われない」とコメントしています。事前調査を自衛隊が行ったことは、辺野古周辺住民だけではなく、沖縄県民の思いを無視したことであり、決して許されることではありません。

 当該自治体や地域住民が反対しているにも関わらず「日米同盟の観点から調査の遅れは許されない」という理由で、これまでの民間企業に加えて、海上自衛隊を導入することは不当です。「これ以上遅らせられない」理由として、地元住民の阻止行動がこれまであげられてきました。 
それは新しい基地を作らせてはならない。米軍再編に伴う沿岸案では地元住民の安心も安全も守られないという地元住民たちの悲痛な叫びなのです。

 しかも、「未明」に作業を強行したことは、これまで那覇防衛施設局がジュゴンの生態を考えて自ら定めた日の出1時間後から日の入り1時間前しか作業は行わないという原則を侵すものであり、サンゴやジュゴンの生態を調べる為の事前調査の目的を逸脱したものであり、許されるものではありません。しかも、今回設置された調査器具がサンゴを破壊していることがわかり、自然を破壊する今回の調査に対し、強く抗議します。

 これまで民間が行ってきた作業を海上自衛隊が行った意味も明確ではありません。反対派住民を排除する為のものであるならば、自衛隊が、その地域の住民に向けて牙を剥く事となり、文字通り自衛隊の治安出動になってしまいます。一部報道で「警備行動も行う」と報じられましたが、自衛隊が国民を警備することなあってはならないことなのです。いくら何でも、賢明な政府が、そのような愚かな行為をされるとは考えてもみませんでした。

2005年10月に米軍再編中間報告において、「地元への理解を求める」ことを表明している日本政府が、その自らの約束を反古にし、その役割を放棄し、地元住民へ理解を求めることよりも「日米同盟」を優先しようとする日本政府の姿勢に強く抗議いたします。このようなことをくりかえせば、地域住民の反感を増大させるだけであり、計画はますます遅れることになるだけのことです。
 
以上の理由から、以下のことに強く抗議いたします。

(1)呉を定係港とする海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」が沖縄近海に派遣されたことに強く抗議いたします。

(2)海上自衛隊がキャンプシュワブ周辺海域の事前調査への支援を行ったことに強く抗議いたします。

(3)ジュゴンなどの生態を無視し、夜中に調査を強行したことに強く抗議いたします。

また、以下のことを要請いたします。 

(1)沖縄近海へ向け出港した掃海母艦「ぶんご」を即時帰還させてください。

(2)キャンプシュワブ周辺海域の事前調査への支援を行ったことに即時中止してください。

(3)そもそも方法書も提出されてない段階での環境アセスメント法の手続きも無視した事前調査を中止してください。

また、以下の点を明らかにしてください。

(1) 今回の出動作戦は、いつ、どのような形で持ち上がり、なぜ呉所属の掃海母艦「ぶんご」がえらばれたのか、その経過を明らかにしてください。

(2)今回、どのような部隊が派遣され、事前調査に関与したのか、その法的な根拠を明らかにしてください。

(3)本来民間が行うべきである事前調査に自衛隊が関与する法的な根拠を明らかにしてください。

(4)掃海母艦「ぶんご」が辺野古海域でどのようなことを行なっているのか、今後何を行おうとしているのかを明らかにし、その法的根拠を示してください。

       以上

入れるな核艦船!飛ばすな核攻撃機!ピースリンク広島・呉・岩国(28団体)

    (連絡先)広島世話人:新田秀樹(ピースサイクル広島ネットワーク)
             広島市中区大手町4-3-10(広島YWCA気付) 090−3373−5083

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                  呉市幸町3-1(呉YWCA気付)0823−21−2414

         岩国世話人:田村順玄(リムピース岩国)
                  岩国市牛野谷町3-75-19 0827−31−3383

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