265.2007年10月5日.海上自衛隊呉史料館(通称・てつのくじら館)に展示内容の見直しなどを求める要請行動(1)〜(8)

(1)海上自衛隊呉史料館(通称・てつのくじら館)に展示内容の見直しなどを求める要請をしました。呉の世話人が湯浅さんから西岡由紀夫さんに代わって初の行動です。

11時に7人が海上自衛隊呉史料館を訪ねました。いきなり、対応を約束していた森野智之(さとし)管理(監理)室長は、事務上の手違いでここでは受け取れない、総監部で総務課長が受け取ると言い出したので、猛抗議しました。

約50分余りの抗議の末、総監部から管理課厚生室専門官佐々木伸幸氏が対応。

下に湯浅(西岡)さんからの呼びかけ

 

 

(2)中国新聞、朝日新聞、読売新聞の記者が取材に来ていました。

翌10月6日中国新聞広島総合版の記事確認。

 

 

 

 

 

 

(3)「要請書」を読み上げる西岡由紀夫さん。要請書の作成も西岡さん。

 

 

 

 

 

 

 

(4)

 

 

 

 

 

 

 

(5)佐々木氏は、「法律に基づき、要請は承りました。今回は回答はしない」旨、表明され、要請書を受け取られました。

 

 

 

 

 

 

 

(6)「憲法に規定してある請願権」に則って要請書は受け取るが、内容について答えることはしないことを強調されました。海自の徹底した官僚主義と、史料館における運営体制の無責任さも明らかとなりました。

 

 

 

 

 

 

(7)ちなみに要請文の中にある魚雷発射口は本体の横にある三つの穴がそうなのだそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

(8)「大和ミュージアム」 「てつのくじら館」については、8月7日、広島湾スタディクルージングの際に撮った写真が20枚づつありますので参考にしてください。

(下記をクリックして頂くと10枚づつ各2ページ……20枚づつの写真が出てきます。)

「大和ミュージアム」

「海上自衛隊呉史料館(てつのくじら館)」

 


           

海自呉史料館申し入れ

 10月5日(金) 11時
  海上自衛隊呉史料館への展示見直しに関する申し入れ
 テロ特措法の論議が始まり、自衛隊のあり方が問われている中で、改めて、呉史料館の展示内容について、私たちの思いを届けるべく申し入れします。

 5日、10時45分。
  大和ミュージアム前の広場に集合。 集まった上で、向かいの呉史料館に。
  
  森野監理室長というひとが対応するようですが、組織的形体がいまだにわかりません。自衛隊の資料館といいながら、管理はバブ日立などが委託されて行っているとか? 通常の自衛隊への申し入れのように、門の前で手渡しで終わるのか、部屋を用意されて交渉風に行うのか行って見ないとわからないといったところです。


海上自衛隊呉史料館 館長様                    2007年10月5日 

要  請  書 

事実に即して展示内容を見なしてください
 
本年4月5日に開館した「海上自衛隊呉史料館(てつのくじら館)」(以下、「呉史料館」)については、8月31日に来館30万人を超え、今日でちょうど半年を経過しました。隣接する呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)が開館2年余りで300万人が来館する中で、多くの来館者が、新たに開館した海上自衛隊呉史料館も訪れたということかも知れません。

自衛隊をめぐっては、本年1月に防衛省となって以来、ここ半年ほどの間に大臣が3人も交代し、また談合問題を契機として組織変更がなされたようですが、「市民の安全と生活権の確保を第一とする」基本的姿勢を持って、業務に関わっていただけますよう心より要請します。

さて、「海上自衛隊呉史料館は、海上自衛隊佐世保史料館の水上艦、鹿屋航空基地史料館の航空機と並んで、潜水艦と掃海を展示する史料館です。海上自衛隊の有する資料の展示・保存等を通じて、海上自衛隊員の教育及び、広く国民一般等への広報活動により海上自衛隊に対する理解の促進並びに地域との共生に貢献することを目的としています。」(呉史料館ホームページより)とありますが、現在の自衛隊を紹介するには、余りに一面的にすぎないでしょうか。以下、いくつかの例を示して、展示内容の見直しを求めるものです。

1)呉史料館の1970年代の展示の中では、「戦後の我が国では、新憲法に平和主義を謳い、対外問題の解決に軍事力を使用しないことを誓った。この原則と米国との同盟関係の範囲内で、防衛庁・3自衛隊は活動の範囲を国家の独立と安全を脅かす脅威の侵入を阻止する専守防衛に当たるとした。また周辺国に脅威を与える兵器を保有しない方針に基づき、攻撃的兵器は持たず、もっぱら防御的兵器のみを保有することとした。海自も大型艦を保有せず、駆逐艦クラスに相当する護衛艦にとどめた」と説明されていますが、その後の変質を経て、現今の自衛隊は、上記の範囲をはるかに超えている実体には必ずしも触れられていません。

2)展示の中心の一つが掃海部隊ですが、その活動一つを取り上げても、展示は、「国際貢献を自画自賛する」だけで極めて一面的です。1991年に呉基地より行なわれたペルシャ湾岸への掃海部隊の派遣は、戦後初めての「海外派兵」といってよいものです。戦闘は終わっていたとは言え、米国を中心とした多国籍軍が行った湾岸戦争の後始末に、掃海部隊を閣議決定だけでペルシャ湾まで派遣できる法的根拠はあいまいです。海外からも賞賛されたとしてクウェート政府からの勲章を展示していますが、むしろこれを機に、「国際貢献」という名を付ければ、自衛隊が海外に派遣できる先例を創ったという意味で罪は重いのです。その後も呉が海外派兵の拠点として動きつつある中で、今次臨時国会で争点となっているテロ対策特措法についても呉を定系港とする補給艦「とわだ」は今年4月に帰港するまで都合6回もインド洋に派遣されています。防衛省にかわるにあたり、海外派遣そのものが「国際平和協力活動」として自衛隊の本務に規定された危険性を思わずにはおれません。

3)また、多くの掃海作業を行なう機械類や道具などを展示しています。朝鮮戦争時の極秘とされて戦死者を出した掃海についても「呉史料館」の中で一定の紹介がなされています。この時点では、まだ海上自衛隊ではありませんが、事実上、朝鮮戦争に参戦していたことになり、これは憲法に違反する行動であったという記述を明記すべきです。

4) 掃海関係の展示内容については、様々な見解のある問題がある中で、例えば、アジア太平洋戦争末期の1945年3月から8月に及ぶアメリカ軍による瀬戸内海への機雷敷設作戦は、「アメリカ海軍兵力が沖縄上陸作戦を支援している間、この日本の主要な海軍兵力を釘付けにしておくために計画された」(『呉市制100周年記念版呉の歴史』274頁)もので、言い換えれば、瀬戸内海の中央部に、呉鎮守府・呉海軍工廠があり、ここに海軍の残存部隊が集結していたからこそ実施され、主なもので6度に渡る全国でワースト5に入る呉空襲も被ることになったということができます。その上での戦後の掃海活動な訳です。こうした歴史の現実を直視する展示になるよう再考を求めます。

5)さらに艦船についても、8千トンを超える「おおすみ型」の「大型輸送艦」(実態は戦車揚陸艦)まで保有するに至っています。そもそも、海外に出て行かないはずの自衛隊が、洋上給油できる補給艦を保有していること自体が不当なことです。さらには近年新たに就航している艦船は、補給艦、護衛艦など軒並み1万トンをこえる巨大艦であり、海外派遣を意識したものに変質しています。これらのことは、明らかに「周辺国に脅威を与える兵器を保持」するという実態になっていると言っても過言ではありません。今年になって掃海母艦「ぶんご」が「環境調査」の事前調査という名目で沖縄の辺野古海域への派遣も行なわれたという問題もあります。こうした実態についての展示あるいは説明はなく、現実の自衛隊についての認識を誤るおそれがあることを指摘しなければなりません。

6)館名ともなった「てつのくじら」については、その名称と相まって、潜水艦の本質を見誤る結果を招きかねません。潜水艦については、館内展示を紹介する呉史料館ホームページに「潜水艦の基本の攻撃兵器である『魚雷』について本物の魚雷を展示しながら、その特徴について紹介していきます。」とありますが、退役した潜水艦の実物展示は「艦長室」や「士官室」、「潜望鏡」等のほんの一部に限られ、また陸揚げされて公開されている潜水艦の胴体にも魚雷発射口が確認できないため、潜水艦による魚雷攻撃ということが、実際、認識し難いようになっています。そもそも潜水艦を「てつのくじら」として陸揚げ展示することに無理があるのではないでしょうか。
どれも、殺戮を目的とした兵器としての本質に関わる記述がないことは、最も重大な問題です。

7)呉市海事歴史科学館が、戦艦大和に象徴される海軍工廠における科学技術が戦後の呉の発展の原動力となったという基本認識から、軍事兵器・技術の大ぴらの展示場となっていることと相まって、隣接する呉史料館は、秘密攻撃兵器たる潜水艦をこれでもかと曝して、まさに軍国主義の宣伝会場とでもいうべきところになってしまっています。このことに多少なりとも「遠慮」があってもいいのではなかろうか。

 呉史料館の入場料は無料で、建設費や運営費にかなりの税金が投入されています。日立グループのホームページには「この史料館の設計や運営の中核を担っているのが日立グループ」と紹介されています。そして内閣府PFIホームページには、「PFI(Private Finance Initiative:プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)」とは、公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う新しい手法です。民間の資金、経営能力、技術的能力を活用することにより、国や地方公共団体等が直接実施するよりも効率的かつ効果的に公共サービスを提供できる事業について、PFI手法で実施します」とありますが、実際どうなのか。運営(責任)態勢・人員構成・運営資金等の状況を明らかにしてください。

これらのことより、以下、要請します。

(1)憲法前文・9条を基本として、軍事力によらず平和を構築するという基本姿勢で、アジアとの友好をすすめ、特にアジアの戦争被害者の立場を考慮する見地から、潜水艦・掃海隊をはじめとした展示内容全体を再考してください。

(2)呉史料館の運営(責任)態勢・人員構成・運営資金等の状況を明らかにしてください。

以上


入れるな核艦船!飛ばすな核攻撃機!ピースリンク広島・呉・岩国(28団体)

(連絡先)呉世話人:西岡由紀夫(トマホークの配備を許すな!呉市民の会)
                   呉市幸町3-1(呉YWCA気付)0823-21-2414

広島世話人:新田秀樹(ピースサイクル広島ネットワーク)
                   広島市中区大手町4-3-10(広島YWCA気付)090-3373-5083

岩国世話人:田村順玄(リムピース岩国)
                   岩国市牛野谷町3-75-19 0827-31-3383

カソリック正義と平和広島協議会 共育・共生を進める広島連絡会 呉教育労働者研究会  呉ピースサイクル 呉YWCA79女たちから  8.5広島集会世話人会 芸南火電阻止連絡協議会 原発はごめんだ!ヒロシマ市民の会 在日韓国青年同盟広島県本部  更紗の会 市民運動交流センターふくやま 障害者サポートセンターTOGETHER広島 ストップ・ザ・戦争への道!ひろしま講座 全国水平運動研究会 第九条の会ヒロシマ 毒ガス島歴史研究会 トマホークの配備を許すな!呉市民の会  広島キリスト者平和の会 広島平和と生活を結ぶ会 日本キリスト教団広島西分区牧師会 日本軍「慰安婦」問題を考える会・福山 広島YWCA ピースサイクル広島ネットワーク  日本キリスト教西中国教区基地問題特別委員 平和を考える市民の会・三次 
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