在沖縄海兵隊の航空支援部隊1500人の岩国基地への移駐案に反対する!
新たな部隊を岩国基地に移駐するな!!
2月5日、日本政府は米軍再編に伴う普天間基地の移設を米軍再編から切り離し、グアム移転を先行させることでアメリカ政府と交渉を開始したことが報じられました。それに伴い2月6日、在沖縄海兵隊の航空支援部隊1500人を新たに岩国基地に移駐することがアメリカ政府から日本政府に打診されたと報じられました。このニュースを聞いて、地元岩国から不安と怒りの声があげられています。
これ以上の基地機能強化は許さない!!
岩国市からの問い合わせに対して日本政府は「そのような打診はない」としていますが、これまでの経過から見ると、すでにアメリカ政府から日本政府に具体的な打診があったことは明らかであり、地元自治体や地元住民に何も知らされないままに新たな基地負担が押し付けられようとしているのです。
これに対して、地元岩国市だけではなく、隣接する広島県からも「新たな基地負担は許さない!」と言う声をあげていかなければなりません。
日本政府、山口県、岩国市に対し、アメリカ政府に毅然とした態度を取ることを求めます。
もし、在沖縄海兵隊1500人が岩国基地に移駐してきたら・・・
これまでにも広島市内及び県内において、米兵などによる事件事故は後を絶ちません。しかも、事件事故を起こしても「日米地位協定」によって、日本の法律で裁かれることなく、事件事故の真相も明らかにされないのが現状です。もし、新たに岩国基地に移駐してくれば、米兵や米軍属、その家族たちは、岩国市内だけではなく、夜間や休日に広島市内に遊びに来ることが明らかです。
岩国にはこれまでに常駐する在日米軍海兵隊だけではなく、現在の米軍再編に伴い厚木から空母艦載機部隊などが移駐してくる案も日米合意されており、それだけでも5000人近い米兵が移駐してくることになります。それに加えて新たに1500人が移駐してくると、事件事故が増えることは明白です。
私たちが安心して安全に暮らすためにも、広島から「これ以上新たな部隊を岩国に押し付けないで!」という声をあげていきましょう!!
<あなたの声を届けてください!!
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入れるな核艦船!飛ばすな核攻撃機!ピースリンク広島・呉・岩国(28団体)
連絡先:広島市中区大手町 広島YWCA気付 電話:090−3372−5082
2012年2月13日
内閣総理大臣 野田 佳彦様
外務大臣 玄葉光一郎様
防衛大臣 田中 直紀様
在沖縄海兵隊の新たな部隊の岩国基地への移駐案に対する
抗議と要請書
私たちは広島湾にひしめく米軍と自衛隊の軍事基地のありようを考え、原子爆弾による惨禍にあい放射能の怖さを知るヒロシマ市民として核兵器廃絶を願い、「戦争と核と環境」を問い、世界平和のために活動を続ける市民団体、ピースリンク広島・呉・岩国です。
先日、日米両政府が米軍再編の見直しを行っていることが発表され、在沖縄海兵隊の航空支援部隊約1500人を岩国基地へ移駐する案をアメリカ政府が日本政府に打診していることが明らかとなりました。これに対し、地元住民は不安と怒りの声をあげています。岩国市からの問い合わせに対し、日本政府は「アメリカからの打診はない」と回答しながらも、2月8日に「在日米軍再編に関する日米共同報道」において、「米軍再編のロードマップから、海兵隊のグアム移転及び嘉手納以南の土地の返還、普天間飛行場の代替施設に関する進展部分を切り離し、公式な議論を開始した」「今後数週間ないし数カ月の間に、両国政府は、このような調整を行う際の複数の課題に取り組むべく作業を行っていく」と記されています。つまり、アメリカ政府から具体的な打診があり、一部報道に記されているように、沖縄から約4700人をグアムに、1500人前後を岩国へ、残りの1800人をハワイやオーストラリアなどアジア太平洋地域に「ローテーション方式」という具体的な打診があったことは明白なのです。しかし、これまでの岩国基地をめぐる在日米軍の部隊の押し付けられた経緯を見ても、地元住民にはなんら知らされないままに、日米両政府間で交渉が行われ、地元の頭越しに新たな部隊が押し付けられてきました。それは、1997年に始められた沖合移設事業が「墜落と騒音の軽減」を目的としながら、すでに1992年の段階で、山口県と岩国市にNLPの受け入れの打診があり、そのことを住民に隠した形で沖合移設事業が推し進められてきた経緯からも明白です。
そのような経緯から鑑みても、日本政府は現時点でアメリカ政府からどのような打診があり、どのような交渉を行っているのかを地元住民に明らかにすべきであり、日本政府として地元に新たな基地負担を強いるアメリカ政府からの案に断固として反対の意思を示してください。
これまで日米両政府は「米軍再編はパッケージ」とされてきました。しかし、すでに米軍再編のロードマップは実行不可能であることを自ら認めたのであり、グアム移転などを切り離して先行するのではなく、米軍再編そのものを抜本的に見直すべきであり、白紙にすべきです。山口県知事と岩国市長もこれらの案に反対の意思を示しており、一度は実行しようとした愛宕山開発事業跡地の売却を留保すると発表しています。米軍再編に伴う厚木からの空母艦載機部隊の移駐を前提とした愛宕山開発事業跡地の買い取りは、新たな基地提供につながることであり、断じて行われるべきではありません。
以上のことから以下のことを要請します。
(1) 現在、アメリカ政府から提示されている米軍再編の見直し案の詳細を地元住民に明らかにしてください。
(2) 地元に新たな負担を押し付ける現在アメリカ政府から提示されている見直し案に合意しないでください。
(3) 2005年10月29日及び2006年5月1日に合意された在日米軍再編案を白紙撤回してください。
(4) 愛宕山を米軍に提供し、米軍関連施設の建設計画を白紙撤回してください。
(5) 普天間飛行場を固定化させず、即時返還するようアメリカ政府に交渉してください。
(6) 沖縄や岩国だけではなく日本国内に新たな基地を建設しないでください。
入れるな核艦船!飛ばすな核攻撃機!ピースリンク広島・呉・岩国(28団体)
世話人:新田秀樹、西岡由紀夫、田村順玄
2012年2月8日 田村 順玄
岩国市長選挙が終わって・・
もはや「パッケージ」とは言えない米軍再編計画。
艦載機移駐に愛宕山米軍住宅化、加えて今度は海兵隊部隊の移転とは!
厚木基地から59機の空母艦載機が岩国に移駐する「米軍再編計画」が2年後に迫り、2,400億円を投入した岩国基地沖合移設事業の完了から早速次の動きが現れてきた。 今度は沖縄の海兵隊部隊1,500人をさらに岩国基地へ移転させるという突然の報道である。
市長選あれこれ、そしてまた降って湧いた新たな基地問題の災厄を追ってみた。 岩国市では1月29日、市長選挙が執行された。4年前、わずか1,782票という小差で破れた井原勝介元市長の雪辱を期す、大切な選挙がやってきたのだ。対する相手は現職の福田良彦氏、自民党代議士を辞め急遽市長選に出馬、当時の自民党政府が挙げての支援で当選、以来4年間再編への道を突っ走ってきた。
井原市長時代、防衛省は市庁舎補助金をカットする醜いアメとムチの手法で市政を混乱させ、井原氏を退陣に追い込んだ。福田市政になってからは再編交付金をフルに活用し、小学生の医療費の無料化や学校耐震化、中学校の給食施設建設などの文教施策から各種の福祉施策などばら蒔きの市政でその足元を固めた。挙げ句の果て、昨年12月の選挙直前には市内の全小中学校にエアコンを設置するなど、防衛省からお声掛かりの補助金事業を連発した。防衛省は2012年度政府予算でも、多くの再編施策を盛り込み福田市長の選挙戦を支援した。59機の艦載機移駐で大きく増大が予想される爆音被害に対する一般住宅の防音工事も、これも防衛省がてこ入れした典型的な一例である。
これは「安心・安全対策」の一環で一般住宅の防音工事を行う国直轄の事業、現時点ではこれまで対策から取り残されていた騒音基準を越える家屋の防音対策を、前年の約4倍の18億円の予算を措置して選挙戦に備えた。この事業で恩恵を受けるのは市内の大工さんなどすそ野の広い事業者、基地周辺の爆音が酷い地区に居住する住民も加えて福田氏の手腕を歓迎した。
このように防衛省予算漬けの4年間の福田市政であるが、それでは市長は国へ向かってどの様な態度で対応していたのだろうか。県知事と共に口裏を会わしたようにあくまで「厚木艦載機部隊の沖縄・普天間基地の移転策が確定する前の先行移駐は認めない。つまり、現時点で艦載機の移駐容認はしていない。」という詭弁だけは貫き通していた。とは言うものの、その本音は「理解ある姿勢」であり国に対応し自らの市長選はこのような土俵で準備していった。
一方本年7月には4期目の任期を終え引退することが確定的な二井山口県知事も、再選へ向けた岩国市長と思いは同じで、任期中の愛宕山地域開発事業の失敗という「失政」の烙印を消したい必死、その後始末で12月26日、当時の一川防衛大臣と面会し正式に愛宕山開発地の政府への売却を同意した
この日、県知事と市長はあらかじめ提出していた要請の回答文書を受領、「県・市の基本スタンスの厳守」を防衛省地方協力局長名の公文書を引き出した。この公文書には「空母艦載機の岩国移駐のみを進めるという考えはなく、県及び市の懸念されるような事態にならないよう全力で取り組む」と書かれており、後は売却の調印・契約を残すのみとなっていた。
こうして、愛宕山開発地を国へ売却しその敷地へ艦載機部隊の住宅建設をする手順が着々と進行する2012年を迎えた。間もなく県(県住宅供給公社)と国は未計画の残余地45ヘクタールを一括して169億円で売却する契約が整う段階を迎えているが、開発地には270戸の将校住宅と岩国市が強く要望していた米兵用のスポーツ施設が建設されることになる。このスポーツ施設とは、岩国市民が自由に利用出来るということが売り込みで、8千人収容の野球場と8レーンの陸上競技場が目玉の米兵用複利厚生施設である。
さて、話を岩国市長選挙に戻すが、岩国市民は管理形態がどうであれ、ともかく国が作ってくれるというこうした施設建設に飛びつき、福田市長も市長選挙の特筆すべき公約としてこの政府施策を強調し選挙戦は進行した。
この様な福田現市長の選挙に対峙して運動を進める井原さんと、11月に入って浮上したのが共産党の動きであった。前回選挙では艦載機移駐反対を前面に掲げ闘った井原勝介氏も、今回は市政全般や市民生活を重視するスタンスに転換、艦載機問題は井原氏の選挙から影が薄くなったと言う。これを不服とした共産党や共産党系の市民団体は第3の市長候補を擁立、元高校教師の吉岡光則氏が出馬して3人による岩国市長選挙となってしまった。井原氏の返り咲きを願う岩国市民は勿論、全国の多くの人々はこうした成り行きに納得出来ず何とか今回の選挙が井原氏に一本化出来ないものかと調整を願ったが、遂に一本化も成らず1月29日の投票結果を迎えた。
期日前投票の段階から福田氏の優位は突出しており、29日20時の投票終了後の開票を待たずして、多くのメディアが福田氏再選確実を報じた。結果、福田氏が4万2千票を獲得し再選を果たしたが、井原氏は3万、吉岡氏は共産党が支援したものの同党の基礎票を大きく割り込む2400票に甘んじる厳しい選挙結果で終わった。しかもこの選挙の投票率は前回より12パーセントも低下、当選した福田氏さえ前回井原氏の5千票も下回る獲得票で市民の選挙離れが際立った。一面では艦載機容認の福田氏はもちろん、いま一つ井原氏の反対姿勢への生ぬるさや一本化成らずの原因となった吉岡氏への期待薄など、有権者が投票行動そのものが選挙から遠のいた結果が如実に現れた市長選挙となった。
こうした状況にもかかわらず愛宕山周辺で頑張る住民は、今回の選挙で井原氏の再選へ向け大きな期待を込め行動を展開した。投票日前の10日余り早朝から凍てつく地域の交差点に立ち、辻たちで通勤者に井原氏支援を訴えた。
住民たちにとっては市長選挙が終わったので愛宕山の課題が終了したわけでは無く、これからも頑張らなければ成らない現実は残っている。選挙結果が出た3日後に行われた2月1日「愛宕山見守りの集い」でも、さっそく住民たちはめげることなく皆で参加し、続けて米軍住宅化反対行動の継続を誓い合った。
2月に入ってまもなく、県知事と岩国市長は一川氏から交代した田中直紀防衛大臣に会い年末に確認した再編に係わる県・市の基本原則の国回答を再確認し、その後に愛宕山開発地の売却契約に臨むと予定されているが、この時期に於いて「再編問題」が大きく様変わりするビッグニュースが飛び込んで来た。
その一つは日米両政府が、在沖縄米海兵隊約8千人の分散移転について4700人をグアムに先行移転しこれまで前提条件であった米軍普天間飛行場の辺野古への移設とは分離する事で合意したという報道である。普天間基地の移転先として模索を続けながらそれが不可能と見て、普天間を分離してこれまで通り「再編」計画を遂行するなど到底道理の通る説明ではないが、これまで口酸っぱく言ってきた「米軍再編のロードマップはパッケージで進められるもの」という理屈か、これまで艦載機問題で国が首を縦にふることは無かった政府の説明に矛盾が生じてきた。
もちろん、県知事と市長もそのような前提の元で本音は「いずれは艦載機の受け入れを容認するもの」と言う基本スタンスを崩さず、国に忠節を尽くしながらもう一つの口で愛宕山用地の売却を求めてきたから複雑だ。岩国基地ではこうした背景の中で厚木からの地上施設建設が大がかりに続けられ、これが「愛宕山への米軍住宅建設も手戻りには成らない」と既定方針とした開発地の売却方針が進められているのだから問題だ。
しかし今回、このような前提条件は無くなり普天間基地の当面固定化が確実な状態になったことで、このままでは、厚木艦載機部隊は岩国へ明確に先行移駐することが確実になった。市長も県知事も、進めている既定方針を見直す必要が出てきた。
ビッグニュースの二つ目は、2月6日の夕方に飛び込んできた。グアムへ8千人の海兵隊部隊を移転させるとしていた計画を見直し、その陣容を4,700人へ、残る3,300人の内1,500人程度を岩国基地へ移転させるという新たな案を日米政府が協議していたという話だ。全く寝耳に水の新たな話に岩国市民は驚愕した。まだ岩国市長選挙が終わって10日も経たないうちに、また岩国へ新たな基地負担を押しつけるとは岩国市民をバカにするのも甚だしい話だ。
かって15年前、普天間基地の返還協議に伴って出たKC130空中給油機の岩国移転や、厚木から59機の艦載機移転、さらに沖縄からの大型輸送ヘリコプター配備など第1報があるたびに国は「そのような話は一切ない!」と否定しながら、しばらく時間が経てば全てこれが現実のこととなり、岩国市民にこうした負担が押しつけられてきた。
「岩国市民へはお金さえばら蒔けば、少々の難しい課題も受け入れて貰える」・・今回の市長選挙で国は岩国市民の心根を改めて読み取り、満を持してこの様に新たな基地増強策を打ち上げてきたと見るべきであろう。その真意はまだ流動的でこれから新たな事実が続々出てくるだろうが、今こそ小さな炎の内に完全にこれを打ち消す闘いを直ちに組織し立ち向かって行く必要がある。いまこそ市民が立ち上がる時だ。
私たちは絶対に負けない。一切の岩国基地拡大強化の動きを阻止するために、全力で取り組みを続けてゆく。全国の仲間のみなさんの更なるご支援と連帯を期待する。
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