286.2008年2月25日、岩国基地沖合移設事業「埋立承認処分取消請求訴訟」訴えの変更の申立(1)〜(4) 
   

(1)

 
 

2月25日13:30、山口地裁に訴えの変更の申立書を提出しました。

これは、2月7日に提訴した「沖合移設事業埋立承認処分取消訴訟」の訴えの趣旨の「山口県知事は2008年1月8日付でなした「公有水面埋め立て承認目録」記載の埋立変更処分を承認してはならない」と『承認処分の差止』を求めていた部分について、2月12日に山口県知事は、原告の訴えを無視して承認処分を出してしまったので、2月12日になされた「埋立変更を承認した処分の取り消す」という『取消』を求める内容に変更しました。


2月26日付け毎日新聞ホームページ(山口版)に出ています。中国新聞、朝日新聞、読売新聞、山口新聞でも記事を確認。

下に「原告団声明」

 

(2)

 
   

提出後、山口県弁護士会館で記者会見を行いました。


山口の田中礼司弁護士(写真一番右)から、変更の申立の様子とその意味について説明していただきました。
今後もこの裁判において、@1996年11月に山口県が出した埋立承認処分の取り消しとA今回2月12日に出された変更承認処分の取り消しを求めて裁判を続けていきます。

 

 (3)  
   引き続き広島の山田延廣弁護士(写真右から2番目)から、今回の申し立てについて説明されました。山口県知事は市長選が終わるやいなや処分を出してしまいました。なぜ変更承認にこだわるかというと、もともと沖合移設の目的は騒音をなくすためだったはずなのに、厚木から艦載機部隊が移駐されると岩国基地が極東最大の基地となり、一部地域は騒音が拡大されてしまうし、墜落の危険性が増えること、そして、沖縄の米兵による少女暴行事件に象徴されるような米兵の犯罪が増大する危険性があることから、今回の変更は重大な変更であるにもかかわらず、「公有水面埋立法」13条の2に基づく住民への縦覧や市町村長に対する意見聴取などの手続きをとらないで山口県知事が変更承認をしてしまったことは違法であるから取り消しを求める趣旨に変更したことが説明されました。
 (4)  
   今回、18名の原告のうち、2名が参加しました。

原告団長の田村順玄さんから、承認の理由書をみると、県と国のペースで行われている。今回の変更承認申請には、昨年5月に出されたマスタープランを申請内容には反映していない。2009年の春には完成する日程。マスタープランに基づく基地構造を埋立工事の中に盛り込まなければならないために「拙速」ともいえる処分が強行されてしまったなどの多くの問題点があるので今後も争っていきたいという決意が述べられました。

 

 

 

   
            

岩国基地沖合移設事業「埋立承認処分取消請求訴訟」訴えの変更の申立

*原告団声明*

2008年2月25日

岩国基地沖合移設事業「埋立承認処分取消請求訴訟」原告団

 
私たちは、2月7日、山口地方裁判所に対して行政訴訟を提起し、今回の変更承認申請は、公有水面埋立法13条の2項にもとづく用途変更申請であるべきなのに、山口県知事は、単なる添付図書の変更申請により、住民への縦覧や市町村長に対する意見聴取もしないままに承認しようとしていることの違法性を訴え、承認処分の差し止めを求めた。

しかし、山口県知事は、去る2月12日、私たち岩国市民の訴えに耳を傾けずに「埋立変更承認処分」を出した。これは、県民である私たち岩国市民の声をないがしろにしたものであり、断じて許すことはできない。

しかも、山口県知事が岩国市長選の直後の岩国市民が政治的にも混乱した状態に乗じて処分を出したことにも強い憤りを覚える。2月10日に行われた岩国市長選において、投票者の半数に近い市民が艦載機受入れに反対の票を投じており、出口調査では艦載機移転容認はわずか18%であった。福田新市長も「国のいいなりにはならない」いう公約を掲げており、福田新市長に投票した47,000人の中にも艦載機移駐には反対している市民も数多くいる。

この岩国市民の声に耳を傾けず、何の説明もないままに厚木からの空母艦載機部隊の移駐を前提とした今回の変更承認申請を承認した山口県知事の対応に対し、強く抗議し、先に提訴した訴訟の「訴えの趣旨」の「今回の承認処分の差止」を求めていた部分について、今回の県知事の処分を受けて「本件承認処分の取消」を求める旨の「訴えの変更」の申立を行った。先の提訴で提起した平成8年に出された承認処分の取消と、仮にこれが困難であれば、2月12日に出された今回の変更承認処分の取り消しを求める。

今後も引き続き、今回の承認処分の不当性と違法性を明らかにして、山口県知事の責任を追及していく所存である。

以上