21.平和の泉  (中区中島町1・平和公園内北) 
   
 1960年広島青年会議所会員たちが造り、広島市に寄贈した物。
プレートは新しいが、うずくまる獅子口は古い。わびしく枯れた口から滴り落ちる水は、まわりの石を赤黒く染めてヒロシマを語りつづけている。「はだしの被爆者を、太陽と業火が追いかける」と嘆いた詩のように、どんなに苦しかったことだろう。飲みたくても飲めない水、また飲ましてはならなかった水あの日の思いを語り伝えて、獅子口は今日もしたたる。立ち止まる人はなくても水は滴る。

写真は2013年5月17日撮影。