142−4.2004年4月8日.戦車揚陸艦「おおすみ」呉港帰還・抗議行動(31)〜(40)

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用意していた「おおすみ」乗員向けの抗議文を手渡すべく、工作部の門に移動。歩いて3分の所です。

下にここで読み上げた、海上自衛隊員への呼びかけを

 

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ここでおなじみの峯村総務課長に湯浅一郎さんが、自衛隊員に訴えたいと説明

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今、Fバースにいる人たちは、大概ここを通じて出入りする。そこで、ひとしきり、横断幕を広げてやりとりすることは、意義のあることなので、しばらくいるために、要請書を持ち込もました。

 

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郵送してくれ、との返事でしたが

 

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 1:45−2:15位の間、横断幕を広げ、なんやかやと門の前に陣取りました。 極めて少人数の取り組みとなりましたが、この間、「朝日」は、若い記者がずっと張り付い
ていました。
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用意していた、下の自衛隊員への要請書を藤井純子さんが読み上げました。

 

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 式典が終わって車が何台も敬礼の中を出て行きましたが、撮つそうと思ったらもう終わりだったようでした。
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 家族は中の方から出てこないみたい。湯浅さんからもう一度趣旨を確認して引き上げることにしました。
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Fバースには左の「しもきた」の右にしっかりと「おおすみ」が停泊していました。

夜になって、家でこのホームページ作製の作業をしていると、NO DU プロジェクトの今井さんらがイラクで拘束されたと、9時のNHKで放映されました。9時にアルジャジーラが放映したビデオです。これは大変なことになりました。

            

   

海上自衛隊「おおすみ」の              2004年4月8日
 坂上広治艦長および乗員の皆様

               抗 議 文
被爆地ヒロシマの輸送艦(戦車揚陸艦)「おおすみ」がイラク派兵を担ったことに抗議し、すべてのイラク派兵部隊の即時撤退と補給艦「とわだ」を初めとした全てのアフガン補給艦隊の即時撤退を求める!
        
  私たちは、海上自衛隊の輸送艦隊が、陸上自衛隊の武器弾薬、車両などを輸送する任務を持ってイラク派兵されることの中止を求めて、各地で様々な運動を進めてきた市民グループです。新年度が始まり、希望や不安を抱いて市民が動き出している折り、本日、輸送艦「おおすみ」がイラクへの車両や弾薬、物資の輸送作戦を終えて、呉に帰還したことを機に、被爆地ヒロシマから戦地と言うべきイラクへの輸送作戦を行ったことに強く抗議し、現在も派兵されたままの陸上自衛隊を中心とした部隊のイラクからの即時撤退を求めます。


  クウエートへの2ヶ月弱の輸送作戦で、「お疲れさま」という言葉をかけたいところですが、皆さんの仕事が、客観的に果たした役割を思うと、どうしてもそのような気持ちになれません。


 まず被爆県の呉から海外侵攻ができる戦車揚陸艦を派兵したことは、ヒロシマが、アメリカの占領に加担したことを意味しており、思想的にも人類史にとって極めて重大です。ヒロシマに暮らし、軍転法の適用された街に暮らすものとして、絶対に許すことができません。


 そもそも「おおすみ」も含め自衛隊のイラク派兵には何一つ正当性がありません。


アメリカのイラク戦争は、全く不当であり、戦争犯罪そのものです。先制攻撃の理由となった大量破壊兵器は未だに見つからず、アメリカは見つけることをあきらめたと見られます。日本政府は、アメリカ政府に対して、「イラクの大量破壊兵器に関する調査資料の公開」を求め、ことの真相を明らかにさせるべきなのに、その作業を一切行わないまま、他方で自衛隊を派兵し続けることは断じて許せません。


 しかも4月に入ってからイラクでは、米英占領軍とさまざまなイラクの勢力との戦闘が各地で続き、NHKの報道でも、「この1週間でアメリカ兵など約30人、イラク人約150人が殺された」とされています。戦闘は、バグダッドだけでなく、中南部の各地で、シーア派のデモ隊との衝突が起きているかと思えば、別の地ではスンニ派との衝突です。

バグダッド西方のファルージャでは、6日に米軍が攻撃ヘリコプターなどで空爆を実施し子供や女性が死亡したり、7日には、反米武装勢力の大規模掃討作戦を実施していた米軍がモスクを攻撃、イラク人40人が死亡したといいます。モスクはイスラム教徒にとって神聖な宗教施設であり、「米軍は越えてはならない一線を越えた」と言えます。イラクという地域における人々の連綿とした営みの歴史を無視した自分本意の傲慢な政策が、しっぺ返しを食っているといって良いでしょう。


 自衛隊は、その誤った米占領軍の一員として、イラクに派兵されているのです。そのサマワでも、陸自部隊が移動中、地元住民から駐留に抗議する投石を受けていたことが7日わかりました。そのため学校や道路の補修など宿営地外での活動を4日から中断しているそうです。皆さんが物資を運んだサマワの陸上自衛隊の選択肢は、「宿営地にこもるしかない」という状態が始まっているのです。日本政府が「人道復興支援」とくり返し主張しても、日本がアメリカのイラク戦争を全面的に支持し、その占領を支援する限り、日本は、戦争犯罪を犯したアメリカの仲間なのであり、標的にならざるを得ないことは、皆さんが一番よくご存知のはずです。


  危険なのは自衛隊だけではありません。3月11日、スペインのマドリードでおきた、列車爆破事件は、200人の市民が亡くなり、1000人以上の負傷者が出ました。次の目標は日本だともいわれています。

日本政府が、自衛隊のイラク派兵は、あくまでも人道復興支援であるとくり返し主張しても、米英占領軍の一員として機能している限り、自衛隊が攻撃目標になるばかりか、いまや、世界中の日本人が攻撃の目標となっているのです。世界のならず者としての米軍支援のための自衛隊の海外派兵は、「国民を守るどころか、むしろ国民を危険にさらすことにしかなっていない」ことが、いよいよ明らかになっています。


  皆さんの中には、イラク派兵が、「日本国民を守ることに寄与せず、逆に国民の危険性を高めることにしかならない」との強い疑問を持ったまま、イラクに派兵されている隊員が相当数いるのではないかと想像しています。皆さんは、政府の誤った政策の被害者です。自衛官の生命と人権を軽んじただけでなく、結果として日本の市民全体をも危険にさらす派兵に対して、皆さんのできる範囲で声を出していただきたいのです。


  自衛隊が海外に出て作戦行動をすることを普通のことにしてはなりません。1954年、参議院の海外出動禁止の決議を守らせましょう。まだ、海外派遣は、自衛隊の本務ではありません。その限りにおいて、派遣に当たっては、補職届を出せる要素があります。対テロ特措法によるアフガン派遣で、これまでに60人近くの隊員が、補職届を出していると聞いています。より多くの人が同じ行動に出ることが重要です。

 揚陸艦のイラク派兵で、呉は、海外派兵の拠点としてますます機能強化されました。2001年11月以来、続いている対テロ掃討作戦と合わせて、海外で作戦行動をとることを普通のことにしてはなりません。「おおすみ」がイラク派兵に出た翌日に、対テロ特措法によりアラビア海に向け護衛艦「さみだれ」が派遣された意味は、計り知れないものとして、強く抗議するものです。

別個の二つの法律により、海外での作戦行動のために呉から2日続けて艦船が出ると言う事態が、戦後初めて出現したことは、呉の置かれている現実を象徴するものとしてきわめて深刻です。これは、軍転法の精神を全く踏みにじるものであり、軍転法によって「平和産業港湾都市」をめざしてきた呉市政を根本から覆えすものであり、絶対に容認できません。


 また 日本が国際的に寄与できる方法は、平和憲法、特に憲法九条の精神に則って、対話を基本とした外交に徹することです。侵略行為を犯した米英軍の占領を支援するために、実質的には軍隊である自衛隊を派兵することでは断じてありません。

   連絡先:ピースリンク広島・呉・岩国 
     呉地区世話人 湯浅一郎
     呉市幸町3−1 呉YWCA気付      呉21-2414