205−2.2005年11月10日.「空母艦載機の厚木基地から岩国基地への移駐」計画白紙撤回を求める広島防衛施設局への申し入れ(11)〜(20)
(11) | |
中身の討議にはいりました。まず、要請書を然るべくあげること、公開質問状についても、どう対処するか検討を迫りました。 下に「要請書」を貼り付けています。 |
|
(12) | |
広報課が受け取るだけだと言っていましたが、施設企画課など若い2人精一杯、基地滑走路の沖合い移設計画図など指し示して対応をしてくれました。 | |
(13) | |
このように図面を示しながらのこちらの質問の答えられました。 | |
(14) | |
しかし、残念ながら、質問の大部分は、防衛庁、外務省の合同でないと応えられないことでした。
|
|
(15) | |
広島防衛施設局で対応できる問題として、岩国基地の沖合い移設の終了後の基地内の施設の配置計画に関して説明を求め、やり取りしました。 | |
(16) | |
この図は、2004年7-8月ころ(日時は、その時点ではわからず調査を依頼)、日米が合意した計画変更図です。 | |
(17) | |
ポイントは、北部の弾薬庫を南部に移設し、代わりに、駐機場・格納庫を北部に集中させる。この狙いは、「将来の民間空港との共用」に道をつけることにあり、この点については、岩国市も歓迎している。
|
|
(18) | |
(19) | |
南部の大型岸壁の長さや深さについて質問。長さ360m、深さ13mである。空母が接岸するには、やや短い。空母そのものの長さは、330m位だが、実際には、それに100mくらい加えた長さが必要とか。しかし、必要とあらば、現在の360mに100m加えたように埋め立てをすれば済む話であり、空母の接岸は、その必要性にかかっている。 | |
(20) | |
以下要請文
-----------------------------------------------
防衛庁長官
2005年11月10日
額賀福志郎様
防衛施設庁長官
北原巌男様
広島防衛施設局長
坂本憲一様
要 請 書
「空母艦載機の厚木基地から岩国基地への移駐」計画の白紙撤回を求める
日頃より市民の安全と健康のために尽力されていることに心より感謝いたします。
私たちは、被爆地ヒロシマのまわりで広島県、山口県の両方にまたがって平和運動を続けている市民グループです。
戦後最大と言われる米軍の世界再編が検討され、10月29日、中間報告が出されました。これは、アフガン攻撃、イラク戦争のような戦争を米軍が遂行するために、在日米軍や自衛隊を位置づけ直すというもので、決して容認できるものではありません。アメリカの対テロ戦争や先制攻撃戦略を担うものとして在日米軍を位置づけることになれば、実質的に安保条約第6条を削除し、日本は、アメリカの世界規模の戦争体制を担う最重要な国にされてしまいます。
さて広島、山口にとって焦眉の課題である岩国基地への厚木基地からの移駐に関しては、中間報告では以下のように書かれています。
「米空母とその艦載機部隊の長期にわたる前進配備の実現可能性を確保するため、空母艦載ジェット機およびE2C飛行隊は厚木基地から、岩国基地に移駐される。岩国基地は、沖合移設の建設中の工事が完成した後、空母艦載機の安全で効果的な作戦のための必要な設備や訓練空域を有することになる。岩国基地における運用の増加による影響を緩和するため、以下の関連措置をとる。
▼岩国基地の海上自衛隊E/O/UP−3飛行隊と他の航空機を厚木基地に移駐。
▼米海軍、及び米海兵隊の全航空機に対して、十分なレベルが維持されるための訓練空域の調整。
▼空母艦載機離着陸訓練のための恒常的な訓練施設(FCLP=Field-carrierlanding practice)の特定。それまでの間、米国は、硫黄島の既存の暫定的に整備している施設で、空母艦載機の離着陸訓練(FCLP)の実施を継続する。日本政府は、米軍に対して、受け入れ可能な恒久的FCLP施設を提供するためのコミットメントを再確認する。
▼空中給油機を受け入れるため海上自衛隊鹿屋基地において必要な施設の整備。これらの施設は、日米同盟の能力や柔軟性を高めるために、日本の他の場所から追加される自衛隊や米軍C−130やP−3航空機のローテーションを支援することにも有用である。
▼岩国基地に配置される米海軍、米海兵隊部隊、もちろん民間航空の活動を支援するために必要な追加的施設、インフラおよび訓練区域の整備。」
ここで、重要な問題点は下記のようになりますが、私たち市民の安全と健康を脅かすものとして、計画の撤回を強く求めます。
1)目的が「長期にわたる前方展開能力を確保するため」と位置づけられており、基地の恒久化が意図されています。このような記述は、中間報告の中で、他にはどこにもなく、空母機動部隊だけに付けられている条件です。つまり、空母機動部隊は、長期間、日本に配備し続けることを日本政府が確認したと言うことであり、横須賀と岩国は、在日米軍の中で、最後まで手放さない基地になることを意味し、絶対に容認できません。
2)岩国基地は、「滑走路移設事業終了後には、周辺地域の生活環境への影響がより少ない形で、安全かつ効果的な航空機の運用のために必要な施設及び訓練空域を備えることとなる」とした上で、移駐をするとしています。これは、そもそもの「沖合移設の目的を無視し、歪曲するもの」です。沖合移設は、騒音と事故の危険性の低減に目的があるのであり、目的をねじ曲げてもらっては困ります。
3)硫黄島の施設は、「暫定的な措置」であり、日本政府は、「受け入れ可能な恒常的な訓練施設を提供するとのコミットメント」を再確認するとあり、これを前提として、岩国に移駐することは極めて重大です。数年後に、2004年1月の大黒神島のNLP用滑走路の計画が再度浮上することは必至です。そうなれば、被爆地である広島県に新たな米軍基地が建設されることになり、絶対に容認できません。
4) 中間報告の発表と期を一にして、2008年夏、横須賀の空母は、原子力になるとの計画が、アメリカ政府の決定として、報じられています。ニミッツ級原子力空母は2基の原子炉を持ち、約90万kwの電気出力を持つもので、ちょっとした原発です。仮に、岩国に空母艦載機が来ることになれば、時には、空母が岩国に寄港することも考えられ、被爆地ヒロシマのすぐそばに、原子力空母が停泊することもあり得るわけです。また、南に伊方原発、北に上関原発予定地を見ながら、「動く原発」が、瀬戸内海を航行する日も絵空事でなくなるかもしれません。
自治体の首長を初め、自治会連合会や各種団体が、強い反対の意思を表明し続けていることを承知の上で、このような合意がなされ、中間報告に盛られたことは、この国には、民主主義と自治がないということを意味します。
これにより大黒神島のNLP用滑走路の建設も再浮上する可能性があります。そうなれば岩国のみならず、広島県側も含め、騒音や墜落事故の危険性が高まります。
空母機動部隊は、在日米軍の中でも、最も重要な部隊であり、基地としての重要度が飛躍的に高まり、ひいては基地の恒久化につながります。またその頃、横須賀の空母は原子力動力になっているかもしれないのです。
このような計画が浮上する背景には、滑走路の沖合移設事業による基地の拡張があり、仮に沖合移設工事の中止を求めないのであれば、少なくとも埋め立てによる拡張分の面積を返還するよう強く要請します。
国の第一義的な仕事は、市民の安全と人権を守ることであり、沖縄の宜野湾市で起きた大学構内への米軍ヘリ墜落事故をめぐる米軍の傲慢な対応にも見られるように、地位協定そのものが、米軍の運用を最優先し、日本の市民の安全や人権は全くないがしろにしている状態こそが問題であり、そのような現実を変えていくため尽力すべきです。
そこで、以下要請します。
1.厚木の空母艦載機部隊を岩国に移駐する計画を撤回すること。
2.NLP用の恒久的な施設の提供のためになる業務を行わないこと。特に岩国周辺の離島などに新たなNLP用滑走路を建設すると言った計画に関する業務は一切行わないこと。
3.そもそも米軍の再編を機に、横須賀の空母を原子力動力にすることに反対すること。
4.アメリカから基地機能の強化を求められる背景となっている沖合移設事業が完成した後の、基地の返還を強く求めること。特に、旧滑走路より西側の地域は、埋立面積とほぼ同等の敷地を返還させるべきである。
5 低空飛行訓練を含め米軍機の住宅地上空での飛行を禁止させること6.広島湾での米警備艇による漁業者への威嚇事件などの再発防止を強 く求めること。
7.地位協定を、市民の安全と日本の主権を確保する観点から全面的に 改定するよう求めること。
8. 税金で、永遠の海をつぶし、基地強化の引き金となっている岩国基 地滑走路沖合移設事業に伴う藻場・干潟の代償措置の進捗状況と見通しを明らかにすること。