1、谷口織物(住友銀行東松原支店)                (南区猿猴橋町3−7)
   
 

猿猴橋の、すぐ駅側にある。駅から迷わずに歩いて行けば信号に悪くあたっても10分もかからない。爆心から1,890m。コンクリート造り。1921年7月建設。ご覧のとおり現在、補修されて事務所・倉庫として使用されている。しかし、1993年に紹介した時には、駅前再開発事業により移転の予定とされている、と書いていあったが、2002年5月11日、無事を確認した。民間所有の場合、所有者のよほどの熱意、行政の支援が無い限り、移転とともにまた一つ、被爆建物が消えて行く運命となるであろうと書いていたが、所有者の熱意があるのであろうか?。

2007年10月12日の読売新聞で再度、再開発で取り壊しの予定になっている、と報道されたので、11月7日、近くを通った際に撮影し直しておいた。所有者は肉親の姿を思い出すので、移転保存であっても何とか残しておきたいとの望みを持っておられるとのこと。

爆風により大破し西面の鉄扉は大きく湾曲し、熱線により全焼したものの、倒壊からは免れた。住友銀行では、広島支店(人影の映った階段は有名、平和記念資料館で展示されている。)と、この東松原支店あわせて29人亡くなったが、この支店のみで何人なくなったかは不明。

1970年に谷口織物が取得し現在にいたるが、駅前再開発の予定で2009年にも取り壊しの予定であったが、不況の影響で延び延びになり今に至る。(2009年11月22日読売新聞ホームページ)

 
 2012年10月18日、いつ取り壊されてもおかしくないと聞いているので立ち寄って確認してみた。右の3枚の写真。左にあった「谷口織物」の看板が消えている。
 
   
   
 

2013年1月17日中国新聞で「被曝鉄扉を再開発ビル外壁に」と報道されました。

3月11日についに解体工事が始まった、と翌日の中国新聞で報道されました。


左の写真は、解体工事中の住友銀行東松原支店(谷口)〔2013年3月16日撮影)