9.段原町内会原爆慰霊碑(南区段原三丁目1番、猿猴川河畔・大正橋たもと)
   
 原爆に あまた逝かせし なげきのみ うずきてやまず きのうのごとく 
比治山の山影が幸いして、直接被爆はまぬがれたが、この地区の町民の多くも建物疎開にかりだされた。子規が「上下に道二つあるかな」と詠んだ猿猴川河畔に、原子雲をかたどった自然石の碑がある。納められた位牌の数は八百、犠牲者のほとんどは国民義勇隊関係と聞く。今年もまた悲しみの灯籠のゆらめきが、川面を5色に染めることであろう。傍らに山本康夫の上記のとおり歌碑がある。山本康夫は広島出身の中央で活躍していた歌人。