37.宇品凱旋館建設記念碑(南区宇品海岸三丁目11・宇品中央公園) 

   この宇品中央公園のすぐ海側は、軍港宇品港、すぐ裏には陸軍糧秣支厰倉庫で(1998年1月解体)、その裏が宇品駅跡です。公園の中へ入ると中央にまずこの「記念碑」があります。皇紀二千六百年、昭和十五年、陸軍中将 田尻昌次とあります。ここに大規模な凱旋館が建設されていました。1970年まであったということです。

 日華事変が始まってからは、宇品港は連日にわたって軍用船の出入りをみ、またあいついで出征軍人・傷病将兵を送迎し、完全に軍用港として活動することになりました。1938年2月には、出征軍人・戦傷病兵の歓送迎・慰安のために、宇品の陸軍運輸部構内に凱旋館の工事が起工され、翌1939年4月に竣工式、1941年6月落成式をあげました。この凱旋館の工費28万五千余円は下賜金、陸軍省、満州国、その他全国からの寄附金でまかなわれました。

終戦時は厚生省が海外引揚者の事務所として使用しました。その後は第6管区海上保安本部に。

   
 右の写真は2008年8月6日撮影  
 右の写真は2000年8月撮影