24-2.広島逓信病院玉石 (中区東白島町19-8・広島逓信病院玄関前庭)

   
   
   
   
 被爆の証

 この玉石は、直径60センチ、重さ約300キロの花崗岩で造られています。
 この玉石は、昭和3年(1928年)広島市中区袋町に新築された広島郵便局電話分室の局舎正面玄関の両脇に1対の玉形飾り石として造られたもので、おそらく、当時の近代建築の玄関先に飾るにふさわしい建物の象徴として設計したのではないだろうかと思われます。
 太平洋戦争中に電話分室を戦災から守るための工事をした際、広島逓信局(現在の中区東白島の中国郵政局)に移され、昭和20年8月6日世界最初の原子爆弾により被爆しました。
 その後、被爆救護、戦災復興に活躍された蜂谷広島逓信病院長の時、「被爆の証になる」として当院の旧館(被爆建物)の玄関先に飾られることになったようです。
 2個あった玉石のうちのもう一つの玉石の行方は分かっておりません。
 このほど、新病院が完成したことに伴い、「広島逓信病院のシンボル」として展示保存することにしたものです。

平成6年5月14日
   広島逓信病院長 佐々木博雅