17.白神社  (中区袋町5−24)
   
 白神社は電車通りと百メートル道路の交差点の角にあるから旅行者でもすぐわかる。
神社は皇国思想により国民を統制するのに最大限利用された。古くから町の中心に広い境内を持つこの神社の果たした役割は大きい。門柱には、はっきり祈皇運万世、御神徳千古、明治三十六年陸軍中将從三位勲一等功二級男爵山口素臣書、明治三十六年四月十五日建立、とある。文久二年(1862年)の石灯籠、原爆で焼けただれた鼻の欠けた狛犬は昭和八年二月とある。又、昭和二年、六年と記された石柱もある。手水鉢、石畳も被爆遺跡だ。
   
 

写真は社殿下の岩石群が焼けた跡を被爆の証として残しているのでそれを紹介している。

下は被爆樹クスノキ(3本)

樹高5.80m、幹回り1.53m

樹高1.95m、幹回り1.71m

樹高1.95m、幹回り1.71m

   
   
   
 右は被爆の痕跡を残す古い手水鉢。
   
 神社は被爆遺跡の宝庫でもある。あの日、あの時、戦勝祈願の参拝者でひっきりなしだったという。その参拝者の頭上に原爆が落ちた。全員即死だったという。なお、原爆の洗礼を受けた神社は、その歴史への反省を持っておられる宮司さんも多いので、原爆についても丁寧に教えて貰える事が多い。
   
 石灯籠には天保九年と刻まれたものもある。

(門柱は2012年3月3日撮影、他は2012年9月15日撮影)