10.往来安全「碑」と地蔵菩薩(西区三篠一丁目14番・横川生活センター駐車場前)

おこりじぞう」という絵本で学習して来られる子供たちが多いようです。「今も広島のある横丁に、おこった顔で、じっと立っています。」とありますが、モデルは実は「松山に」、地蔵さんはお寺の中に数多く(特に浄国寺のものがおすすめ)ありますが、「横丁にある」のは原爆ドーム近くの「西漣寺の被爆地蔵」とこのお地蔵さんぐらいしか知りませんので特に紹介するものです。元は、やはり大人が事前学習される小説「黒い雨」の冒頭に出てくる横川駅の裏、可部線北口正面付近にあったということでもあります。爆心から約1.8キロで被爆したものです。1955年ごろ、この地点に持ってきたということです。

 写真の右は1874年に建てられた「往来安全碑」で、当時の道標です。左にこの地蔵菩薩が安置されています。左の看板の由来を記しておきます。

これ清兵衛や、我こそは汝持ち田の下に永く埋もれている地蔵菩薩なるぞ。地の中に埋もれていては人間どもをすくうことは出来ない。何本目の楯の根の下であるよく頼んだぞ。パット後光が差したと思ったら牛尾清兵衛さん 地蔵菩薩の姿が消えていた。清兵衛さんは、毎夜毎夜この不思議なお告げ夢とは思わないほど現実性があり下郎にほりおこさせた あにはからんやお告げ通り地蔵菩薩様が埋もれていた これより可部に四里、浜田へ二十里 明治十年を記念してお堂を建てられた。

写真は2012年9月15日撮影