9.アンデルセン(帝国銀行広島支店)(中区本通り3−10)
   
   

次々に解体されもモニュメントだけになっていく被爆建物の中で、民間のものでありながら、きちんと保存・有効に再利用されている被爆建物があります。山口銀行の近く、さらに爆心地寄りに建っている、広島で知らない人はいないパン屋さん「アンデルセン」です。

 写真の二階南側の窓部分、中には入ったら天井が高いのに戦前の建物の面影を残しています。2階の被爆建物の部分はグリル&シチューステーションになっていて、多くの客に利用されており、それと尋ねれば親切に教えて貰えます。(ただし民間の建物の常として、企業秘密か、内部の写真撮影は駄目です。)

被爆建物保存のお手本と言えるでしょう。繁華街のど真ん中。「広島赤十字病院」モニュメント保存への補助金支出には、「被爆建物を取り壊すのを奨励するようなものだ!」と賛否両論の声がありますが、ここは皆さん感心するばかりです。

(写真は、2008年12月6日撮影)

   
 

説明銅版の文章を紹介しておきます。

「帝国銀行広島支店(爆心地から約360メートル)
この建物は、1925(大正14)年に三井銀行広島支店としてたてられました。原爆が投下されたときは、合併により、帝国銀行となっていましたが、猛烈な爆風のため、屋根は焼け落ち、爆心地に近い北西側の壁も崩れ落ちました。戦後、何度か修復され、現在はベーカリーとして利用されています。」

なお、「慰霊」と書かれ、32名の犠牲者の名前を刻んだレリーフ(三井銀行職員慰霊碑)は、現三井住友銀行内にの応接間に、住友銀行職員慰霊のレリーフとともに飾ってあります。

(写真は、2008年12月6日撮影)